炭水化物とは?炭水化物の分類と働きを学ぶ

こんにちは、薬師のまっきーです。

今回は炭水化物の分類と働きについて。

炭水化物って何?

炭水化物と糖質は同じもの?

炭水化物ってどんな働きがあるの?

こんな疑問を解消すべく学んでいきます。

まずはまとめです。

炭水化物の分類と働き・まとめ

・炭水化物とは消化・吸収される「糖質」消化・吸収されない「食物繊維」の総称

・糖質の働き

 ①エネルギー源になる

・食物繊維の働き

 ①排便をスムースにする

 ②腸内環境の改善

 ③血糖値の上昇を緩やかにする

 ④悪玉コレステロール値の低下

より詳しく知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

それでは、どうぞ!

目次

炭水化物とは

炭水化物とは、「糖質」「食物繊維」の総称です。

炭水化物と糖質を混同している方がいますが、実際は異なります。

炭水化物と糖質はイコールではなく、糖質は炭水化物のひとつと言えます。

糖質はヒトの消化器官で消化と吸収が可能ですが、食物繊維は消化も吸収もされません。

糖質と食物繊維は働きが異なりますので、それぞれ見てみましょう。

糖質の働き

エネルギー源になる

糖質の働きは1つ。ズバリ、「体のエネルギー源になる」です。

糖質は1gあたり4kcalのエネルギー源になります。

糖質以外にも、脂質とたんぱく質がエネルギー源として利用されますが、糖質はほかの栄養素よりもエネルギーに変換されるまでのスピードが速いです。

エネルギー源として利用される順番
糖質→脂質→たんぱく質

糖質にはいくつか種類があり、構造によって単糖類、少糖類、多糖類に分類されます。

食品に含まれる糖質の多くは、少糖類か多糖類。

少糖類と多糖類はそのままでは小腸から吸収できないため、消化管の酵素で単糖類(ブドウ糖)に分解してから吸収する必要があります。

まっきー

単糖類は分解の過程がいらない分、より素早く吸収されます

食品から摂取した糖質が、エネルギーに変換されるまでの過程は以下の通りです。

STEP
消化管の酵素でブドウ糖に分解される
STEP
小腸から体内に吸収される
STEP
血液中に溶け込み全身の組織へ運ばれる
STEP
インスリンによって細胞内に取り込まれる
STEP
細胞内でブドウ糖からさらに分解される
STEP
細胞内のミトコンドリアでエネルギーに変換される
まっきー

使いきれずに余ったブドウ糖は中性脂肪に変換して貯蔵されます

糖質は上記のステップで体内の各組織でエネルギー源として利用されますが、特に糖質を必要としているのがです。

脳がエネルギー源として利用するのは、原則ブドウ糖だけ

飢餓状態になればケトン体という成分を利用することもありますが、エネルギー効率が悪いためブドウ糖を利用するときよりもパフォーマンスが下がってしまいます。

また、体内で糖質が不足すると、肝臓で糖を作り出す糖新生というメカニズムが働きます。

糖新生の材料は脂質やたんぱく質です

たんぱく質から糖を作る場合は、筋肉中のたんぱく質を分解してアミノ酸を利用するため、筋力低下につながる恐れがあります。

まっきー

糖質はエネルギー不足にならないよう、適度な摂取が必要です

食物繊維の働き

食物繊維とは、ヒトの消化酵素では消化できない食物中の成分です。

食物繊維にもいくつか種類がありますが、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維に大別されます。

昔は人体に必要ないものとして扱われていましたが、近年では整腸作用をもち正常な便通を保つために欠かせない成分として見直されました。

整腸作用のほかにもいくつか働きがあるので見てみましょう。

まっきー

健康のためにとても有効な成分なので、第6の栄養素とも呼ばれています

排便をスムースにする

水溶性食物繊維は、便をやわらかくして腸内の移動をスムースにする働きがあります。

不溶性食物繊維は、便のかさを増して大腸を内側から刺激することで動きを活発に。

これらの働きでスムースに排便することができます。

腸内環境の改善

私たちヒトの腸内には100兆~1000兆もの細菌が棲みついています。

細菌の種類も膨大ですが、大まかに分けると善玉菌悪玉菌日和見菌の3種類です。

善玉菌:体にとって良い働きをする
悪玉菌:体にとって悪い働きをする
日和見菌:状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする

腸内ではこれらの菌が日々縄張り争いをしており、腸内フローラを形成しています。

まっきー

理想的なバランスは「善玉:悪玉:日和見=2:1:7」です

私たちの健康のためには善玉菌を優勢にする必要があります。

この善玉菌を優勢にするために有効なのが食物繊維。

食物繊維は善玉菌のエサとなるため、善玉菌が活発になって腸内環境を良好にします。

血糖値の上昇を緩やかにする

食物繊維は、腸内で糖質に吸着することで吸収スピードを遅くし、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

血糖値が急激に上昇した場合、血液中にある大量の糖質を細胞内に取り込もうとして、すい臓から大量のインスリンが分泌されます。

インスリンの働きによって糖質が細胞内に取り込まれていくと、今度は血糖値が急激に低下。

このような血糖値の乱高下は、血管にダメージを与えるほか、インスリンの大量分泌ですい臓が疲弊したり、イライラしたり集中力が低下したりと悪影響を及ぼします。

食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにすることで、このような血糖値の乱高下による悪影響を防ぐことができます。

悪玉コレステロール値の低下

食物繊維は腸内で胆汁酸を吸着して体外へ排出する働きがあり、これにより悪玉(LDL)コレステロール値を低下させます。

胆汁酸は腸内で脂質や脂溶性ビタミンの吸収に必要な成分です。

腸内で胆汁酸が足りなくなると、肝臓で合成されて腸内へ分泌されます。

この胆汁酸を合成するための材料が、血液中にある悪玉コレステロール。

食物繊維が腸内の胆汁酸を排出すると、血液中にある悪玉コレステロールを利用して胆汁酸を作るため、血液中の悪玉コレステロール値が低下します。

おわりに

今回は炭水化物の分類と働きについて学んできました。

改めてまとめです。

炭水化物の分類と働き・まとめ

・炭水化物とは消化・吸収される「糖質」消化・吸収されない「食物繊維」の総称

・糖質の働き

 ①エネルギー源になる

・食物繊維の働き

 ①排便をスムースにする

 ②腸内環境の改善

 ③血糖値の上昇を緩やかにする

 ④悪玉コレステロール値の低下

糖質、食物繊維それぞれに体にとって大切な働きがありました。

まっきー

不足してしまうとこれらの働きができないため、注意が必要です

炭水化物が不足したり過剰になったりした時のリスクについてこちらも読んでみてください。

それでは今回はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考資料

炭水化物 / 糖質 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

食物繊維 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

02_各論_1-4_炭水化物_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)

食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

食品安全関係情報詳細 (fsc.go.jp)

・食物繊維と脂質代謝

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