たんぱく質の不足や過剰のリスクについて学ぶ

こんにちは、薬師のまっきーです。

今回はたんぱく質の不足や過剰のリスクについて。

たんぱく質って不足するとどうなるの?

摂り過ぎると良くないの?

こんな疑問を解消すべく学んでいきたいと思います。

まずはまとめです。

たんぱく質の不足と過剰リスク・まとめ

・たんぱく質が不足すると、筋力低下成長障害免疫力低下などのリスク

・たんぱく質が過剰になると、腸内環境の悪化腎臓の負担が増える

・通常の食事では過不足になることは少ないが、偏った食生活の人は要注意

より詳しく知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

それでは、どうぞ!

目次

たんぱく質の不足リスク

私たちの体内にあるたんぱく質は、合成と分解を繰り返しています。

たんぱく質の種類によってこのサイクルの速度は変わりますが、どのたんぱく質も分解されてアミノ酸になり、また新たに合成されます。

たんぱく質の合成・分解を繰り返すうちに、一部のアミノ酸は体外へ排出されていきます。

そのため、失われた分のアミノ酸は食事から補給する必要がありますが、十分に摂取できないとたんぱく質不足になってしまいます。

 

それでは、たんぱく質が不足するとどのような影響があるのでしょうか?

体内のたんぱく質のはたらきは主に3つ。

  • 筋肉や臓器、肌などの組織を構成
  • 酵素やホルモン、抗体として体の機能を調節
  • 分解されてエネルギー源となる

たんぱく質が不足するとこれらのはたらきが十分に行なえません。

特に成長段階にある子供では、体の組織を増やし大きくするためにたんぱく質が必須。

ですが、たんぱく質が不足していると体の組織が十分に育たず、成長障害となる恐れがあります。

 

大人でも筋肉を構成するたんぱく質が不足していると筋力低下疲労感につながり、肌のたんぱく質不足では肌荒れの原因になります。

酵素やホルモンを構成するたんぱく質が不足すれば、その機能が低下し体の機能調節がうまく行なえません

抗体の機能が低下すると、免疫力低下にもつながります。

 

とはいえ現代の日本では、肉や魚、豆腐などの大豆製品を日常的に食べている人が多く、一般的な食事を取っていれば重度のたんぱく質不足に陥ることは少ないでしょう。

ただ、偏食の方や極端な食事制限によるダイエット中の方、貧困や高齢などが原因で食事の量が減ってしまった方などではたんぱく質が不足する可能性があるため、注意が必要です。

 

好き嫌いの多いお子さんだとたんぱく質が不足しないか心配になりますが、何か好んで食べられるたんぱく源を1つでも見つけて日々の食事に取り入れられると良いですね。

まっきー

ちなみに我が家の長女は肉や魚が苦手。
豆腐や枝豆、牛乳やヨーグルトでたんぱく質を摂っています。

たんぱく質の過剰リスク

たんぱく質が過剰な場合のリスクについてですが、実はまだあまり知られていません。

人類は長いことたんぱく質を含め栄養不足に悩まされてきたため、過剰な場合の影響について十分に研究が進んでいないためです。

それでも、現時点で分かっているたんぱく質の過剰リスクもあります。

たんぱく質の過剰リスク①肝臓・腎臓機能の悪化

たんぱく質を分解して排出するまでの過程で、大きく関わるのが肝臓と腎臓。

たんぱく質の摂取量が過剰になると、この肝臓と腎臓への負担が大きくなります。

短期間の過剰摂取でただちに影響するわけではありませんが、長い間大きな負担をかけ続けると肝臓と腎臓が疲弊し、機能が低下する恐れがあります。

すでに腎機能が低下している方は、医師からたんぱく質の摂取量を制限されることがあるため、主治医の指示に従ってください。

たんぱく質の過剰リスク②尿路結石症の発症

動物性たんぱく質に多く含まれているコラーゲン。

軟骨として関節を守ったり肌のうるおいを保ったりしてくれる成分ですが、その構成成分からシュウ酸が作られます。

シュウ酸は尿中のカルシウムとくっつき、結石の原因に。

そのため、動物性たんぱく質の摂取が過剰になると、尿路結石症の発症につながる恐れがあります。

たんぱく質の過剰リスク③腸内環境の悪化

腸内細菌には大きく分けて善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があり、この3種類の菌のバランスによって腸内環境は変化します。

動物性たんぱく質や脂質は悪玉菌の栄養源。

過剰に摂取していると悪玉菌が増え、腸内環境の悪化につながります。

まっきー

私は以前プロテインを飲んでいた頃、お通じの具合が悪くなりました。
ヨーグルトや食物繊維を食べるなどして対策すると良いかも。

たんぱく質の摂取量

ここまでたんぱく質の不足と過剰のリスクについて学んできました。

不足も過剰もよくないならどのくらいが適切なの?

と疑問に思う方もいるでしょう。

その目安になるのが、厚生労働省が設定している食事摂取基準。

 

多くの世代の男女で目標量として摂取エネルギー量の13~20%が設定されています。

仮に1日の摂取エネルギー量が2000kcalなら、たんぱく質として65~100gとなります。

朝昼晩とある程度の肉や魚、豆腐や納豆などのたんぱく源を日頃から食べている方は、目標量に近い量を摂れていると思いますので大きく不足する心配は少ないでしょう。

ただし、ダイエット中の方やご高齢の方などは肉や魚の摂取量が少なかったり、食事量そのものが少なかったりとたんぱく質不足になりやすいので注意が必要です。

 

逆に目標量を超えるには、肉や魚であってもかなりの量を取らなければなりません。

一般的な食事量の人では過剰の心配もあまりないと考えられますが、食事の他にプロテインを飲んでいる方は過剰にならないよう注意してください。

 

たんぱく質の摂取量についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

おわりに

今回はたんぱく質の不足と過剰のリスクについて学んできました。

改めてまとめです。

たんぱく質の不足と過剰リスク・まとめ

・たんぱく質が不足すると、筋力低下成長障害免疫力低下などのリスク

・たんぱく質が過剰になると、腸内環境の悪化腎臓の負担が増える

・通常の食事では過不足になることは少ないが、偏った食生活の人は要注意

不足と過剰それぞれにリスクがあるため、偏った食生活は少しずつでも正していけると良いですね。

 

今回、たんぱく質の過剰で尿路結石症のリスクが上がると知れたのは良い収穫でした。

患者さんへの指導にも役立ちそうです。

お読みいただいた方にも何か参考になることがあったら嬉しいです。

 

それでは今回はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました!

参考資料

たんぱく質 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

00_1_表紙_cs6_1220.indd (mhlw.go.jp)

尿路結石症診療ガイドライン第2版 (urol.or.jp)

腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

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