脂質の働きと分類について学ぶ

こんにちは、薬師のまっきーです。

今回は脂質の働きと分類について。

脂質って良いイメージないけど体に必要なの?

脂質はどんなはたらきがあるの?

コレステロールとか中性脂肪とか脂質にも種類があるの?

こんな疑問を解消すべく学んでいきます。

まずはまとめです。

脂質の働きと分類・まとめ

・脂質の主な働きは3つ

 ①エネルギー源となる

 ②細胞膜やホルモンなどを構成する

 ③脂溶性ビタミンの吸収を助ける

・脂質の主な分類は3つ

 ①単純脂質:中性脂肪など

 ②複合脂質:リン脂質糖脂質など

 ③誘導脂質:脂肪酸コレステロールなど

・脂質は種類ごとに働きがあり、脂肪酸の一部は体内で生成できないため食事からの摂取が必須。

より詳しく知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

それでは、どうぞ!

目次

脂質の働き

皆さんは脂質についてどんなイメージを持っていますか?

食べると太りそう、コレステロールが上がって病気になりそうといったイメージを持っている方も多いと思います。

このイメージもあながち間違ってはいないですが、それは脂質を過剰に摂り続けている場合のこと。

脂質にも大切な働きがあるので、適度に摂取する必要があるのです。

脂質の働き①エネルギー源となる

脂質はエネルギー産生栄養素の1種です。

脂質の他にも、炭水化物とたんぱく質がエネルギー産生栄養素として知られていますが、1gあたりのエネルギー価が最も大きいのが脂質です。

他が1gあたり4kcalなのに対して、脂質は1gあたり9kcalとその差は2倍以上!

まっきー

脂質を多く含む食品が高カロリーなのも納得です

脂質の働き②細胞膜やホルモンなどを構成する

私たちの体はたくさんの細胞からできています。

細胞の詳しい構造は割愛しますが、細胞全体を覆っているのが細胞膜です。

細胞膜は細胞外の環境変化から保護したり、細胞間の情報伝達に関わったりと重要な役割を担っています。

その細胞膜を構成する成分の1つが脂質。

脂質が不足すると細胞膜の働きを十分に保てず、健康な体を維持できません。

また、女性ホルモンや男性ホルモンなどの性ホルモンや、ステロイドホルモンなどの構成成分にもなっています。

脂質の働き③脂溶性ビタミンの吸収を助ける

ビタミンにはその性質によって水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分かれていることをご存知でしょうか?

水溶性ビタミンは水に溶けやすい性質のため、消化管からスムーズに吸収されやすいです。

しかし、水に溶けにくく脂に溶けやすい脂溶性ビタミンは、体内に吸収されるために胆汁酸によって脂質と一緒に乳化される必要があります。

そのため、脂質の摂取量が少ないと脂溶性ビタミンも十分に吸収できないのです。

まっきー

脂質は健康な体を維持するために大切な栄養素なんですね

脂質の分類

ここまでは脂質の働きを学んできましたが、一口に脂質と言っても実はいくつもの種類があり、それぞれに働きが異なります。

皆さんも中性脂肪やコレステロールなどは聞いたことがあるのではないでしょうか?

ここからは脂質の分類とそれぞれの働きを見ていきましょう。

脂質の分類①単純脂質(中性脂肪など)

単純脂質とは脂肪酸とアルコールが結合して構成される脂質。

代表的なものに中性脂肪があります。

中性脂肪

中性脂肪は、3つの脂肪酸とグリセロールから構成されており、肉や魚、食用油など食品中の脂質の大部分を占めています。

私たちの体内では脂肪組織に貯蔵され、皮下脂肪として外部刺激から身を守る役割があります。

また、糖質が不足した時は、脂肪酸に分解されてエネルギー源として利用されます。

まっきー

中性脂肪が過剰になると肥満などの原因になるので、注意が必要です

脂質の分類②複合脂質(リン脂質、糖脂質など)

複合脂質は構造中にリンや糖を含んでいる脂質のこと。

リン脂質や糖脂質があります。

リン脂質

リン脂質は脂肪酸やリン、グリセロールが結合した脂質。

細胞膜を構成する主成分です。

水と油をなじませる両親媒性という性質をもっているため、そのままでは血液中を移動できない脂質をたんぱく質と結合させ、移動可能にする働きがあります。

糖脂質

糖脂質は名前の通り糖が結合した脂質。

細胞膜を構成する成分の1つで、細胞膜上で行われる情報伝達や物質輸送に関わっています。

脂質の分類③誘導脂質(脂肪酸、コレステロールなど)

誘導脂質とは、脂質が分解されてできるもので、脂肪酸やコレステロールなどが該当します。

脂肪酸

中性脂肪を構成する成分。

アミノ酸と結合することでエネルギー源として利用されます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別され、食品によって多く含まれる脂肪酸が異なります。

種類によって血液中のコレステロール量に影響を与えます。

不飽和脂肪酸の一部は体内で合成できないため、食事からの摂取が必須。

まっきー

食品から脂質を摂るときには、脂肪酸の種類とバランスが重要です

脂肪酸の種類と特徴について詳しく知りたい方はこちらも読んでみてください。

コレステロール

細胞膜や胆汁酸、ホルモンなどの材料となる成分です。

食品から摂取されるのはコレステロール全体の2~3割ほど。

残りは体内で糖や脂質から合成されます。

たんぱく質と結合することで血液中に存在しているコレステロールのことを、LDLコレステロールとHDLコレステロールと呼びます。

LDLコレステロールを悪玉、HDLコレステロールを善玉と呼ぶこともありますが、どちらも体にとって必要なものです。

健康のためにはLDLとHDLがバランスよく存在している必要があります。

まっきー

現代人はLDLが過剰になり、LDLとHDLのバランスが崩れがち

おわりに

今回は脂質の働きと分類について学んできました。

改めてまとめです。

脂質の働きと分類・まとめ

・脂質の主な働きは3つ

 ①エネルギー源となる

 ②細胞膜やホルモンなどを構成する

 ③脂溶性ビタミンの吸収を助ける

・脂質の主な分類は3つ

 ①単純脂質:中性脂肪など

 ②複合脂質:リン脂質糖脂質など

 ③誘導脂質:脂肪酸コレステロールなど

・脂質は種類ごとに働きがあり、脂肪酸の一部は体内で生成できないため食事からの摂取が必須。

いかがでしたか?

脂質は1gあたりのカロリーが高く、取り過ぎると肥満などの原因になるため敬遠されがち。

ですが、脂質にも大切な働きがあるため極端に避けるとかえって体調不良の原因になります。

まっきー

摂りすぎに注意しつつも、適度に摂取していきましょう

それでは今回はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました!

参考資料

00_1_表紙_cs6_1220.indd (mhlw.go.jp)

脂肪 / 脂質 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

中性脂肪 / トリグリセリド | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

リン脂質 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

糖脂質の構造と機能 (jbsoc.or.jp)

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