こんにちは、薬師のまっきーです。
今回はキャベツの栄養素についてです。
スーパーや八百屋さんなどでも必ず見かける野菜の1つであるキャベツ。
生で食べるとシャキシャキとして、スープなどで煮込むとトロっとして味もしみて美味しいですよね。
そんな私たちの身近にあるキャベツですが、その栄養素をご存知でしょうか?
実は食物繊維やビタミン、ミネラルに加え、抗酸化作用をもつファイトケミカルも含まれていて栄養豊富な食材なんです!
その栄養価の高さから、「食べる薬」とも呼ばれるキャベツの栄養素と健康効果について学んでいきます。
それでは、どうぞ!
キャベツの栄養素と量
キャベツ100gあたりの栄養素と量について、表にまとめました。
ミネラルとビタミンは主要なものを抜粋してあります。
栄養素 | 数値 |
---|---|
エネルギー(kcal) | 21 |
たんぱく質(g) | 1.3 |
脂質(g) | 0.2 |
炭水化物(g) | 5.2 |
┗食物繊維(g) | 1.8 |
ナトリウム(mg) | 5 |
カリウム(mg) | 200 |
カルシウム(mg) | 43 |
マグネシウム(mg) | 14 |
鉄(mg) | 0.3 |
亜鉛(mg) | 0.2 |
レチノール活性当量(μgRAE) | 4 |
ビタミンD(μg) | 0 |
ビタミンE(mg) | 0.1 |
ビタミンK(μg) | 78 |
ビタミンB1(mg) | 0.04 |
ビタミンB2(mg) | 0.03 |
ビタミンB6(mg) | 0.11 |
ビタミンB12(μg) | 0 |
葉酸(μg) | 78 |
ビタミンC(mg) | 41 |
キャベツは一般的なサイズで1玉およそ1kgです
キャベツに多い栄養素と健康効果
キャベツには様々な栄養素が含まれていますが、それぞれ含有量が多いものも少ないものもあります。
ここではキャベツを食べることで得られる栄養素のなかでも、キャベツに特徴的、含有量が多いなどのメリットがある栄養素を紹介。
それぞれの栄養素から期待される健康効果についても解説していきます。
ビタミンC
ビタミンCには、活性酸素による肌のしわやシミ、動脈硬化などを抑制する抗酸化作用があります。
また、コラーゲンを含むたんぱく質の合成にも関わり、免疫機能である抗体の合成にも関わっています。
そのためビタミンCは、美容にも健康にもとても重要な栄養素です。
ビタミンCは水に溶けやすいため、キャベツを長時間水にさらしたり茹でたりすると流出してしまいます。
そのためキャベツからビタミンCを効率良く摂取したい場合は、あまり水にさらさず生で食べるか、味噌汁やスープなどにして汁ごと食べるのが良いでしょう。
ビタミンU(キャベジン)
キャベツに含まれることから、別名キャベジンとも呼ばれる栄養素。
胃の粘膜保護や、胃酸分泌を抑える働きがあり、十二指腸潰瘍などへの効果も期待されています。
熱に弱いため、ビタミンUの働きを期待する場合は生で食べるのがオススメです。
お腹が弱い人は生のままたくさん食べるのは要注意!
消化に時間がかかって負担になります。
葉酸
葉酸は、DNAやRNAといった核酸合成に関わったり、アミノ酸の代謝に関わったりすることで細胞分裂を促します。
葉酸が不足していると、この働きが十分に発揮できず赤芽球性貧血という病気になりかねません。
免疫機能の維持や生殖機能にも関わっています。
また、妊娠初期の赤ちゃんは細胞分裂を盛んに行っているため、葉酸は胎児の成長に大変重要な栄養素。
特に妊娠中の方や妊娠を望んでいる方は意識して取り入れると良いでしょう。
妊娠中の女性は、通常の2倍の量(480μg)が推奨量とされています
ベータカロテン
ベータカロテンは体内でビタミンAに変わり、目の機能や免疫機能、肌や粘膜の維持に関わる栄養素です。
ただ、ビタミンAに変換されるのは体内に吸収されたベータカロテンの一部のみ。
変換されなかったベータカロテン自体も、体内で活性酸素の発生を抑える抗酸化作用を持っています。
ベータカロテンは脂質と一緒に摂取すると吸収率が上がるため、ベータカロテンを効率良く摂取したい場合は炒め物などが良いでしょう。
カリウム
カリウムは体の中でナトリウムとバランスを取り合いながら、細胞内外の浸透圧や血圧を調節しています。
また、カリウムは体内の余分なナトリウムを尿中に排出する働きがあります。
私たち日本人は塩分を摂り過ぎている傾向があるため、ナトリウムを排出してくれるカリウムはありがたい存在です。
塩分の摂り過ぎによる高血圧を防ぐためにも、日ごろから塩分控えめを心がけるとともに、キャベツなどの野菜からカリウムの摂取も行えると良いですね。
カルシウム
カルシウムは骨や歯を形成する他にも、筋肉の収縮や神経細胞の情報伝達など幅広い役割を持っています。
現代人の摂取量は目標量よりも少なめなので、積極的に摂りたい栄養素の1つです。
乳製品や魚介類に多く含まれていますが、野菜であるキャベツからも摂れるのは嬉しいですね。
キャベツの中でも、芯に近い部分や、外側の大きな葉っぱにより多く含まれているようなので、固いからと捨ててしまうのはもったいないところ。
細かく刻んだりやわらかく煮込んだりすると食べやすいでしょう
イソチオシアネート
ファイトケミカルの1種で、キャベツやブロッコリーなどアブラナ科の植物に多く含まれています。
イソチオシアネートは体内の色々な酵素を活性化させることで、抗酸化作用や肝臓の解毒能力を高めると考えられています。
免疫機能も高めるため、がんの予防効果も期待されています。
今後の研究が期待されますね
熱に弱いため、イソチオシアネートを効率良く摂取したい時は生で食べるようにしましょう。
オススメの調理方法
キャベツには色々な栄養素が幅広く含まれていますが、それぞれ効率良く摂取するための方法が異なります。
オススメの調理方法をご紹介します。
①生のまま食べる
キャベツに含まれている栄養素には、ビタミンU、イソチオシアネートなど熱に弱いものが多いです。
そのため、これらの栄養素もムダなく摂取するには生のまま食べるのが良いでしょう。
水溶性の栄養素が多いため、水にさらすと栄養素が流出してしまいます。
適度に洗うことは必要ですが、長時間水にさらさないようご注意ください。
一方のデメリットとしては、かさが多くなるため量が摂れないこと。
揚げ物などの付け合わせてある千切りキャベツも、重量を測ると見た目のボリューム感の割には軽い印象を受けます。
また、生のままでは消化に時間がかかる場合があるため、胃腸の調子が悪い時にはかえって負担になる恐れがあります。
②スープや味噌汁にして食べる
キャベツにはビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素が多く含まれており、長時間水にさらしたり茹でたりするとこれらの栄養素が流れ出てしまいます。
ですが、スープや味噌汁など汁物であれば流出した栄養素ごと食べることができます。
スープを飲み干す場合は塩分量が気になるところ。味付けが濃くなり過ぎないようご注意ください。
また、加熱することでかさが減り食べる量を増やせることもメリットです。
デメリットとしては、加熱するため熱に弱い栄養素が減ってしまうこと。
ビタミンUやイソチオシアネートは熱に弱いため、これらの栄養素を摂りたい時は注意が必要です。
③電子レンジで蒸す
加熱する方法として、電子レンジで蒸すというのもオススメです。
茹でるよりも水溶性の栄養素の流出を抑えることができ、他の加熱する方法よりも短時間で加熱するため、熱に弱い栄養素も比較的失いにくい方法です。
加熱することでかさも減って食べる量も増やせます。
ただ、電子レンジでの加熱もやり過ぎてしまうと、熱に弱い栄養素の減少量が大きくなってしまいます。
また、キャベツに含まれている水分が外へ抜けていく量が増え、水溶性の栄養素も一緒に流出してしまう恐れがあるため、電子レンジを使う場合でも加熱しすぎには注意してください。
加熱する時間の目安は、キャベツの量や電子レンジの種類にもよりますが、1人分ほどの量なら1~2分くらいが良いでしょう。
④炒める
キャベツには脂質と一緒に摂取すると吸収率が上がる、ベータカロテンが含まれています。
このベータカロテンを効率良く摂取したい場合は、キャベツを油で炒めると良いでしょう。
熱に弱い栄養素を少しでも多く残したい場合には、他の具材を先に炒めておき最後にキャベツを加えてサッと炒めるなど、加熱時間を短くするのがオススメです。
おわりに
今回はキャベツの栄養素と健康効果について学んできました。
キャベツには幅広い栄養素が含まれていますが、摂りたい栄養素ごとにオススメの調理方法が異なるため、意識していきたいですね。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考資料
・02_各論_1-6_ビタミン_2_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)
・厚生労働省eJIM | 葉酸塩[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)
・厚生労働省eJIM | ビタミンC[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)
・02_各論_1-7_ミネラル_2_cs6_0114.indd (mhlw.go.jp)
・カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・カルシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・食物繊維 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・厚生労働省eJIM | ビタミンA[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)
・アブラナ属の野菜摂取は、微量栄養素の摂取量とは無関係に尿中F2-イソプロスタン濃度を低下させる – PubMed (nih.gov)
・消化性潰瘍のビタミンU療法 – PubMed (nih.gov)
・キャベツの栄養は加熱で変わる?茹でる・炒める・生で食べる時の違いは? | Daichi & keats 農園カフェ&バル (daichi-keats.jp)