朝起きて洗顔したあと、頬がつっぱる。
そんな感覚が増えてくると、「冬が来たな」と感じます。
冬になると、
「保湿しているのに肌がつっぱる」
「粉をふいたり、かゆみ・肌荒れが出やすい」
そんな悩みを感じる方も多いのではないでしょうか。
乾燥肌というと、化粧水やクリームなど外側からのケアに意識が向きがちですが、
実は肌のうるおいを支えているのは、毎日の食事や生活習慣です。
この記事では、
- 冬に肌が乾燥しやすくなる理由
- 肌のうるおいを守るために必要な栄養素
- 日常の食事で取り入れやすい食材や工夫
を、栄養の視点から分かりやすく解説していきます。
肌の乾燥・荒れが起きるのはなぜ? 主な原因

冬になると、肌のカサつきや粉ふきが気になりやすくなります。
これはスキンケアだけの問題ではなく、体の内側の環境が変化していることも大きく関係しています。
- 空気の乾燥と気温低下
- 栄養不足
- 睡眠不足やストレス
- 血流低下
冬は湿度が下がり、肌表面の水分が奪われやすくなります。
さらに寒さによって血流が低下すると、肌に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、
肌の生まれ変わり(ターンオーバー)も乱れがちです。
加えて、忙しさや冷えによる食事量・内容の偏り、睡眠不足やストレスは、肌の回復・修復に必要な栄養や時間を不足させる要因になります。その結果、冬は乾燥肌が悪化しやすい状態が重なりやすいのです。
まっきー乾燥肌の背景には外的な環境要因だけでなく、肌を修復・再生するための材料が不足していることも関係しています
乾燥した状態が続くと、肌表面のバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすい状態になります。
その結果、かゆみや赤みが出やすくなったり、小さな刺激でも肌荒れを繰り返しやすくなったりすることも。
また、肌の回復力が落ちた状態では、スキンケアで一時的にうるおいを与えても、根本的な改善につながりにくいことがあります。特に冬は、乾燥・冷え・血流低下が重なり、肌を立て直すための「材料」と「エネルギー」が不足しがちです。
こうした状態を防ぐためには、外側からの保湿だけでなく、肌をつくり直すための栄養を内側から補うことが大切になります。
次の章では、冬の乾燥から肌を守るために意識したい栄養素と、その具体的な食材を見ていきましょう。
肌のうるおいを守る主な栄養素


冬の乾燥肌は、肌表面の水分が失われるだけでなく、肌をつくり直す力そのものが弱まっている状態とも言えます。食事から必要な栄養を補うことは、うるおいを守るだけでなく、肌の回復・修復を内側から支える大切な土台になります。
肌のうるおいを守るために意識したい栄養素を見ていきましょう。
| 栄養素 | 主な働き | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 肌細胞・角質層の材料になる | 肉、魚、大豆製品、卵 |
| ビタミンA | 皮膚や粘膜を健やかに保つ | 人参、かぼちゃ、ほうれん草 |
| ビタミンC | コラーゲン生成を助ける | ブロッコリー、柑橘類、いちご |
| ビタミンE | 血行促進・酸化ダメージ対策 | ナッツ類、アボカド、植物油 |
| 良質な脂質(ω3など) | 肌のバリア機能を支える | 青魚、アマニ油、えごま油 |
① たんぱく質
肌は日々生まれ変わっており、その材料となるのがたんぱく質です。
皮膚の一番外側にある角質層もたんぱく質から作られているため、不足するとターンオーバーが乱れがちに。その結果、乾燥や肌荒れが改善しにくく、うるおいを保ちにくい肌状態につながります。
② ビタミンA
皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素で、肌の生まれ変わりを正常に保つ働きがあります。不足すると角質が乱れやすくなり、乾燥や刺激に弱い肌状態になりがち。
冬は特に意識して摂りたい栄養素のひとつです。
③ ビタミンC
コラーゲンの生成を助け、肌のハリや弾力を支える役割があります。
乾燥による小じわやごわつきが気になる時には、積極的に補いたい栄養素。ストレスや生活リズムの乱れで消費されやすい点も要注意です。
④ ビタミンE
血行を促し、肌のすみずみまで栄養を届けるサポート役。抗酸化作用により、乾燥や外部刺激によるダメージの蓄積を防ぐ働きもあります。
冷えやすい季節の肌ケアには欠かせない栄養素です。
⑤ 良質な脂質
細胞膜や皮脂の材料となり、肌のバリア機能を保つ役割があります。
脂質を極端に控えすぎると、肌表面のうるおいが保てず、乾燥しやすい状態になりがちです。
質を選んで適量を摂ることが大切です。
肌の乾燥を感じた時におすすめの食材・メニュー


乾燥が気になるときは、どんな食材を選ぶかが大切になります。
ここでは、日常に取り入れやすく、乾燥対策に役立つ食材を紹介します。
肌の土台をつくる食材
鶏むね肉・鶏もも肉
肌の材料となるたんぱく質をしっかり補える食材です。
脂質が控えめで、日常的に取り入れやすいのもメリット。
メニュー例
- 鶏むね肉と野菜のスープ
- 鶏肉の照り焼き
- 蒸し鶏のサラダ
豆腐・納豆
消化にやさしく、疲れている日でも摂りやすいたんぱく源。
夜遅い食事や、食欲が落ちているときにも向いています。
メニュー例
- 湯豆腐
- 冷奴+オリーブオイル少々
- 納豆ごはん
うるおいとバリア機能を支える食材
鮭
良質な脂質とたんぱく質を同時に摂れる、乾燥対策の定番食材。
焼く・蒸すなど調理が簡単なのも続けやすいポイントです。
メニュー例
- 鮭のホイル焼き
- 焼き鮭
- 鮭と野菜の味噌汁
青魚(さば・いわし・さんま)
脂質がしっかり摂れるため、乾燥しやすい時期に意識したい食材。
血流をサポートし、肌に栄養を届けやすくします。
メニュー例
- さばの味噌煮
- 焼きさば
- いわしの蒲焼き
肌の調子を整えるサポート食材
人参・かぼちゃ
皮膚や粘膜の健康維持に役立つ野菜。
加熱すると甘みが増し、冬でも食べやすくなります。
メニュー例
- 人参と玉ねぎのスープ
- かぼちゃの煮物
- 蒸し野菜
ブロッコリー・小松菜
抗酸化作用を持つ栄養素を含み、乾燥によるダメージ対策に。
副菜や汁物に加えやすいのが特徴です。
メニュー例
- ブロッコリーの温サラダ
- 小松菜のおひたし
- 野菜たっぷり味噌汁
これらの食材は、特別な調理をしなくても、いつもの食事に取り入れやすいものばかりです。
次の章では、これらの食材を使って、朝・昼・夜それぞれで意識したい食べ方の例を紹介していきます。
1日の中での取り入れ方


朝:乾燥しやすい朝に「うるおいの土台」をつくる
- きちんと食べられる朝:たんぱく質+ビタミンACEをバランス良く
焼き鮭+小松菜と人参の胡麻和え+豆腐とわかめの味噌汁+ごはん
→鮭のたんぱく質と脂質で肌の材料を補い、人参のβカロテン(ビタミンA)で肌や粘膜の土台を整えます。 - 忙しい朝:たんぱく質+良質な脂質を”足すだけ”
トースト+ゆで卵+ヨーグルト×アーモンド+みかん
→時間がない朝はたんぱく質(卵・ヨーグルト)に、ビタミンEと脂質(アーモンド)を足すだけでも、乾燥対策として十分な一歩になります。 - 食欲がない朝:消化にやさしく、ビタミン中心に
かぼちゃのポタージュ+バナナ
→温かく消化しやすいものを選ぶのがポイント。かぼちゃのビタミンA・Eで肌のうるおいを支えます。



朝は完璧を目指さず、たんぱく質か、温かいものをどちらか一つ意識できれば充分です
昼:日中の活動中も「うるおいを保つ」選び方
- お弁当:たんぱく質と野菜をそろえやすい
鶏の照り焼き+人参と小松菜のナムル+玉子焼き+ごはん
→鶏肉や魚で肌の材料を補い、野菜からビタミンをしっかり摂ることで、乾燥しにくい土台を日中もキープできます。 - 外食:不足しがちな栄養を意識して選ぶ
定食(肉または魚の主菜+野菜の副菜+味噌汁)
→麺類や丼もの単品より、定食スタイルを選ぶことで、乾燥対策に必要な栄養をまとめて補えます。 - コンビニ:足すだけで乾燥対策になる組み合わせ
サラダチキン+具だくさんスープ+カットフルーツ
→コンビニ派の人は普段選んでいるものに合わせて上のどれかを足してみて。それだけでも肌に必要な栄養バランスが整いやすくなります。



昼は「主菜+温かい一品」を意識するだけで、午後の乾燥・肌荒れ対策につながります。
夜:肌の回復・修復を助ける食べ方
- しっかり作れる夜:たんぱく質・脂質・ビタミンをそろえて、基本の回復を
鮭のホイル焼き+かぼちゃの煮物+小松菜のおひたし+豆腐とわかめの味噌汁
→ 鮭のたんぱく質と脂質で肌の材料を補い、かぼちゃのビタミンA・Eがうるおいを支えます。 - 疲れている夜:手間をかけずに、温かく回復
鶏肉と野菜の具だくさんスープ+ごはん
→疲れている日は「品数」より「一品の質」を重視。スープにすることで消化の負担を減らしつつ、たんぱく質と野菜をまとめて摂ることができます。 - 遅い時間の夜:胃腸にやさしく、睡眠を妨げない修復ケア
湯豆腐+温野菜(人参、ブロッコリー、さつまいもなど)
→ 帰宅が遅い日は、脂質を控えめにして消化を最優先。豆腐のたんぱく質で最低限の材料を補い、温かい料理で体を冷やさずに眠りにつくことが大切です。



「完璧を目指す」よりも、毎食どれか一つ意識することが大切です。
まとめ|肌のうるおいは「食べるケア」で変わる
冬の乾燥肌・肌荒れは、
空気の乾燥だけでなく、栄養・血流・生活習慣が深く関係しています。
外側の保湿に加えて、
- たんぱく質
- ビタミンA・C・E
- 良質な脂質
を意識した「食べるケア」を取り入れることで、
肌のうるおいを内側から支えることができます。
できることから、少しずつ。
冬の肌トラブル対策に、今日の食事を見直してみてください。

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