こんにちは、薬師のまっきーです。
今回はブロッコリーの栄養素と食べるメリットについて。
ブロッコリーは、農林水産省が2026年から「指定野菜」へ追加することを発表し、話題にもなっていますよね。
実は栄養素が豊富なことから、ブロッコリーは「野菜の王様」とも呼ばれています。
そんなブロッコリーについて、
ブロッコリーを食べるとどんなメリットがあるの?
ブロッコリーはどんな栄養素が豊富なの?
こんな疑問を解消すべく学んでいきます。
まずはまとめです。
・抗酸化作用などの働きがあるビタミンCが豊富
・たんぱく質の量が野菜のなかでトップクラス
・解毒作用が注目されているスルフォラファンが摂れる
より詳しく知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、どうぞ!
ブロッコリーの栄養素と量

ブロッコリー100gあたりの栄養素と量について、表にまとめました。
ミネラルとビタミンは主要なものを抜粋してあります。
栄養素 | 数値 |
---|---|
エネルギー(kcal) | 37 |
たんぱく質(g) | 5.4 |
脂質(g) | 0.6 |
炭水化物(g) | 6.6 |
┗食物繊維(g) | 5.1 |
ナトリウム(mg) | 7 |
カリウム(mg) | 460 |
カルシウム(mg) | 50 |
マグネシウム(mg) | 29 |
鉄(mg) | 1.3 |
亜鉛(mg) | 0.8 |
レチノール活性当量(μgRAE) | 75 |
ビタミンD(μg) | 0 |
ビタミンE(mg) | 8.7 |
ビタミンK(μg) | 210 |
ビタミンB1(mg) | 0.17 |
ビタミンB2(mg) | 0.23 |
ビタミンB6(mg) | 0.3 |
ビタミンB12(μg) | 0 |
葉酸(μg) | 220 |
ビタミンC(mg) | 140 |
ブロッコリー1株は約250gで、茎などを除いた可食部は約160gです。
房ごとにカットすると1房の重さは約10gほどのため、10房ほどの量が表の数値になります。

ブロッコリーの1食分の目安は50~100gほどです
ブロッコリーを食べるメリット


ブロッコリーには、現代人が不足しがちなビタミンやミネラルが含まれています。
また、他の野菜と比べてたんぱく質の含有量が多いのも嬉しいメリット。
ブロッコリーに豊富に含まれている栄養素とその働きを見てみましょう。
ビタミンC
ブロッコリー100gに含まれるビタミンCは140mgで、レモンを超える含有量。
これだけでビタミンCの1日の推奨量を超える量が摂取可能です。
ビタミンCには、活性酸素による肌のしわやシミ、動脈硬化などを抑制する抗酸化作用があります。
また、コラーゲンを含むたんぱく質の合成にも関わり、免疫機能である抗体の合成にも関わっています。
そのためビタミンCは、美容にも健康にもとても重要な栄養素です。
そんなビタミンCを豊富に摂取できることは、ブロッコリーを食べる大きなメリットと言えるでしょう。
葉酸
葉酸はブロッコリー100gあたり220mg含まれています。
成人男女の1日の推奨量は240mgなので、そのほとんどを摂ることが可能です。
葉酸は、DNAやRNAといった核酸合成に関わったり、アミノ酸の代謝に関わったりすることで細胞分裂を促します。
葉酸が不足していると、この働きが十分に発揮できず赤芽球性貧血という病気になりかねません。
また、妊娠初期の赤ちゃんは細胞分裂を盛んに行っているため、葉酸は胎児の成長に大変重要な栄養素。
そのため、妊娠中や妊娠を望む女性はより多くの摂取が推奨されており、葉酸を効率良く摂ることができるブロッコリーは積極的に取り入れたい食材です。
カリウム
ブロッコリー100gに含まれるカリウム量は460mgです。
100gあたりの含有量で比較すると、より多く含む食材が他にもたくさんあるため少なく感じるかもしれません。
しかし、現実的に1食で食べることができる量として比較した場合、他の食材にも負けない優秀な含有量と言えるでしょう。
カリウムは体内の余分なナトリウムを尿中に排出する働きがあります。
私たち日本人は塩分を摂り過ぎている傾向があるため、塩分控えめを心がけるとともにカリウムでの排出も行えると良いでしょう。
鉄
ブロッコリー100gあたりに含まれる鉄は、1.3mgと野菜の中では多い部類です。
鉄はよく知られている貧血予防の他にも、抗酸化作用や免疫機能の維持、神経伝達物質の生成など様々な働きがあります。
そんな鉄ですが、肉や魚に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀物などに多く含まれる非ヘム鉄と2種類あり、それぞれ吸収率が異なります。
非ヘム鉄の方が吸収率は低いですが、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が上昇。
ブロッコリーに含まれる鉄も非ヘム鉄ですが、同時に豊富なビタミンCも摂取できるため、効率よく鉄を吸収できる食材なんです。
食物繊維
食物繊維はブロッコリー100gあたり5.1g含まれています。
食物繊維の働きは整腸作用や血糖値上昇の抑制、コレステロール値の低下などがあり、健康には欠かせない栄養素です。
ところが、現代人は食物繊維の摂取量が不足しがち。
ブロッコリーはほかの野菜と比べても食物繊維が豊富な部類なので、サラダやスープなどに加えることで効率よく食物繊維を摂ることができるでしょう。
たんぱく質
ブロッコリー100gあたりたんぱく質が5.4g含まれています。
枝豆などの豆類には一歩劣るものの、他の主要野菜と比べてもそのたんぱく質量は多いと言えるでしょう。
たんぱく質は筋肉をつくるのはもちろん、健康的な肌や髪を維持するために必要な栄養素。
さらに免疫機能にも関わるため、不足することなく積極的に摂りたいですよね。
高たんぱくな食材として肉や魚がありますが、たんぱく質ばかり食べてしまうと腸内環境の悪化を招いてしまいます。
その点ブロッコリーはたんぱく質と食物繊維を同時に摂取できるので、腸内環境の悪化を防ぐことができます。
スルフォラファン
スルフォラファンはブロッコリーなどのアブラナ科の植物に含まれているファイトケミカルの一種です。
体内の多くの酵素を活性化することが分かっており、抗酸化作用や肝臓の解毒能力を高めることが示唆されています。
がんの予防効果も期待されており、研究が進められています。
今の時点ではブロッコリーを食べるだけでがんを防げるとまでは言えませんが、健康に良い働きが期待されているスルフォラファンを摂取できるのは、ブロッコリーを食べるメリットと言えるでしょう。



ビタミンCと鉄、食物繊維とたんぱく質など相性の良い栄養素が同時に摂れるのもブロッコリーのメリットですね!
オススメの調理方法


ブロッコリーはビタミンCや葉酸、カリウム、スルフォラファンなど水溶性の栄養素が多い食品です。
水にさらしたり茹でたりすると、これらの栄養素が流れ出てしまいます。
ではどうすれば、栄養素の流出を防いで効率良く体へ取り入れることができるのでしょうか?
スープの具材として食べる
オススメの調理方法1つ目はスープに入れる方法です。
スープにすれば、ブロッコリーから流れ出た栄養素もそのまま摂取することができます。



コンソメスープやクリームシチューなどに入れると彩りも良く、オススメです
蒸す・電子レンジで加熱する
スープにする以外にも、蒸したり電子レンジで加熱したりする方法もあります。
これらの方法は、茹でるのと比べてビタミンやミネラルの流出を大幅に減少させることが可能です。
特にビタミンCは、生の状態と比べても90%以上を保持できているとのデータもあります。



温野菜にする時は、茹でるよりも蒸したりレンチンしたりすると良いでしょう
おわりに
今回はブロッコリーの栄養素とメリットについて学んできました。
改めてまとめです。
・抗酸化作用などの働きがあるビタミンCが豊富
・たんぱく質の量が野菜のなかでトップクラス
・解毒作用が注目されているスルフォラファンが摂れる
幅広い栄養素を豊富に含んでいるブロッコリーは正に野菜の王様と呼ぶに相応しい食材でしたね。
特にビタミンCの含有量がレモンを超えているのは驚きでした。
まだ研究段階ですが、期待の成分スルフォラファンも摂れるのは嬉しいところ。
独特の風味から苦手な人も多いと思いますが、健康のためには避けているのはもったいないほどの栄養素を含んでいるので、食べ方を工夫して日々の食卓に加えていけると良いですね。
私自身も子供のころは苦手だったんですが、房を細かく分けてスープやシチューで煮込むと味が絡んでおいしく食べられるようになりました。
苦手な方は試してみてください。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考資料
・02_各論_1-6_ビタミン_2_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)
・厚生労働省eJIM | 葉酸塩[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)
・厚生労働省eJIM | ビタミンC[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)
・02_各論_1-7_ミネラル_2_cs6_0114.indd (mhlw.go.jp)
・カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・食物繊維 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)