こんにちは、薬師のまっきーです。
今回はアサリの栄養素について。
アサリは旨味がたっぷりで、酒蒸しにしたりお味噌汁にしたりパスタにしたりと用途も幅広いですよね。
実は美味しいだけじゃなくて、鉄や亜鉛、カルシウムなどミネラルも豊富な食材なんです。
おまけにダイエット中の方にも嬉しい低脂質で高たんぱく!
そんなアサリの栄養素と健康効果について学んでいきます。
それでは、どうぞ!
アサリの栄養素と量
皆さんはアサリを買うとき、どのような状態のアサリを買うでしょうか?
食材として使用する目的であれば、生や缶詰、冷凍の状態で買うことが多いのではないでしょうか。
実は、アサリは生のものと缶詰で栄養素の含まれている量が異なります。
そこで生のアサリとアサリの水煮それぞれ100gあたりの栄養素と量について、表にまとめました。
ミネラルとビタミンは主要なものを抜粋してあります。
栄養素 | アサリ(生) | アサリ(水煮缶) |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 27 | 102 |
たんぱく質(g) | 6 | 20.3 |
脂質(g) | 0.3 | 2.2 |
炭水化物(g) | 0.4 | 1.9 |
┗食物繊維(g) | 0 | 0 |
ナトリウム(mg) | 870 | 390 |
カリウム(mg) | 140 | 9 |
カルシウム(mg) | 66 | 110 |
マグネシウム(mg) | 100 | 46 |
鉄(mg) | 3.8 | 30 |
亜鉛(mg) | 1 | 3.4 |
レチノール活性当量(μgRAE) | 4 | 6 |
ビタミンD(μg) | 0 | 0 |
ビタミンE(mg) | 0.4 | 2.7 |
ビタミンK(μg) | 0 | 3 |
ビタミンB1(mg) | 0.02 | 0 |
ビタミンB2(mg) | 0.16 | 0.09 |
ビタミンB6(mg) | 0.04 | 0.01 |
ビタミンB12(μg) | 52 | 64 |
葉酸(μg) | 11 | 10 |
ビタミンC(mg) | 1 | 0 |
生と水煮缶で大きく変わっているのは、
- エネルギー量
- たんぱく質
- カリウム
- 鉄
このうち、缶詰になると量が増えているのは、エネルギー量、たんぱく質、鉄。
アサリは生の状態では水分を多く含んでいますが、缶詰に加工する過程でその水分が抜けます。
水分が抜けたことでアサリに含まれている栄養素が凝縮され、100gあたりのたんぱく質や鉄の量が増えていると考えられます。
エネルギー量が増えたのも、たんぱく質や脂質などのエネルギー産生栄養素が増えたからです。
一方、カリウムなどの水に溶けやすい栄養素は、水分が抜けたときに一緒に流出してしまうため缶詰にすると含有量が減ってしまうと考えられます。
たんぱく質や鉄を多く摂りたいなら缶詰、カリウムを多く摂りたいなら生のものを調理すると良いでしょう
アサリに多い栄養素と健康効果
アサリの栄養素の中でも、含有量が多いものや特徴的なものをご紹介します。
それぞれの栄養素から期待される健康効果も解説します。
鉄
鉄はよく知られている貧血予防の他にも、抗酸化作用や免疫機能の維持、神経伝達物質の生成など様々な働きがあります。
そんな鉄ですが、肉や魚に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀物などに多く含まれる非ヘム鉄と2種類あり、それぞれ吸収率が異なります。
アサリに含まれているヘム鉄は吸収率が高く含有量も多いため、鉄分を補給する食材として優れていると言えるでしょう。
カルシウム
カルシウムは骨や歯を形成する他にも、筋肉の収縮や神経細胞の情報伝達など幅広い役割を持っています。
現代人の摂取量は目標量よりも少なめなので、積極的に摂りたい栄養素の1つです。
マグネシウム
マグネシウムはカルシウムやリンと一緒に骨や歯を形成するミネラルです。
また、300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、それにより体内の色々な機能に関わっています。
健康的な肌や髪を維持したり動脈硬化を予防したりする効果も期待されており、アンチエイジングミネラルとも呼ばれています。
亜鉛
亜鉛は味覚を正常に保つ栄養素として知られています。
その他にも、免疫機能を維持したり、体の成長を促したりと大切な働きがある成分です。
男女ともに不足しがちなので、積極的に摂りたいところ。
お酒を飲む方は、亜鉛の消費量が増えるので、より意識して摂取すると良いでしょう。
ビタミンB2
ビタミンB2は脂質の代謝に関与している水溶性ビタミンです。
不足すると皮膚炎や口内炎などが引き起こされ、肌や髪の健康維持にも関与しています。
また、エネルギー代謝にも関わっているため、欠乏により成長障害が起きる可能性もあります。
ビタミンB2は動物性食品に多く含まれているため、肉類や魚介類を日常的に食べていれば不足することはないでしょう。
ただし、ダイエットなどでカロリーを気にして動物性食品を避けていると不足することも。
アサリであれば、脂質と糖質が少なく低カロリーなので、ダイエット中でもビタミンB2を摂取しやすい食材と言えるでしょう。
ビタミンB12
ビタミンB12はDNA合成や赤血球の形成に関与し、貧血予防に役立つビタミンです。
また、神経伝達にも関与しており、不足すると神経障害を引き起こします。
ビタミンB12もB2と同じく動物性食品に多く含まれるため、ダイエット中の方は不足しないよう注意が必要です。
カロリーが気になる方にも、野菜類には少ないビタミンを補給する食材としてアサリはオススメです。
たんぱく質
たんぱく質は筋肉をつくるのはもちろん、健康的な肌や髪を維持するために必要な栄養素。
さらに免疫機能にも関わるため、不足することなく積極的に摂りたいですよね。
アサリに含まれているたんぱく質の量は、肉や魚と比べると少なめ。
ですが、脂質も少ないため低脂質高たんぱくな食材と言え、ダイエット中にもオススメです。
タウリン
タウリンは遊離アミノ酸といって、たんぱく質を構成することのないアミノ酸です。
細胞内外の浸透圧を調節や、抗酸化作用、体内のカルシウム量を調節するなどの働きがあります。
また、筋肉の収縮に関わり、筋肉細胞のダメージを軽減するなど身体的な疲労を回復する効果も期待されています。
通常の食事ではまず心配ないですが、不足すると糖や脂質の代謝異常や肝機能障害になる恐れもあるため、ある程度は意識しておきたいところ。
タウリンは魚介類に多く含まれ、アサリにも100gあたり664mgのタウリンが含まれています。
オススメの調理方法
アサリに含まれているビタミンB2やB12、タウリンなどは水溶性の栄養素。
煮たり茹でたりすると、これらの栄養素は外へ流れ出てしまいます。
せっかく栄養豊富なアサリを食べるなら、これらの栄養素も無駄なく食べたいところですよね。
アサリの栄養素を無駄なく摂取するためには、溶け出た煮汁ごと食べる方法が良いでしょう。
具体的には
- スープや味噌汁にして食べる
- 酒蒸しにして食べる
- 炊き込みご飯にして食べる
などの方法があります。
これらの方法であれば、アサリから出た煮汁も一緒に食べることができ、栄養素を余すところなく摂取できます。
注意点としては、味付けを濃くしてしまうと塩分も一緒にたくさん摂取されてしまうこと。
アサリは旨味が強い食材なので、塩分を含む調味料は控えめにして、その旨味を堪能してみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回はアサリの栄養素と健康効果について学んできました。
鉄や亜鉛などのミネラルを豊富に含み、ビタミンB12などのビタミンも含まれているアサリは貧血対策の強い味方になるかもしれません。
また、低カロリーでありながらもたんぱく質は豊富に含まれているため、脂質やカロリーが気になっていてもたんぱく質はしっかり摂りたい方にもオススメの食材です。
そんなアサリに含まれている栄養素を無駄なく摂れるよう、煮汁ごと食べることができる方法で調理したいですね。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考資料
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鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
カルシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
マグネシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
厚生労働省eJIM | 亜鉛[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)
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厚生労働省eJIM | ビタミンB12[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者] (ncgg.go.jp)